GSF Global Summit 2022東京会場開催

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Posted on September 2nd, 2022

6/10にGSF Global Summit東京会場が開催されました。245名の参加者とGreen Software Foundation(GSF)の考えを共有し、大盛況のもとイベントを終えました。

GSF Global Summit 2022東京会場開催

INTRO.

6/10にGSF Global Summit東京会場が開催されました。245名の参加者とGreen Software Foundation(GSF)の考えを共有し、大盛況のもとイベントを終えました。

GSF Global Summitは2022年6月に世界各国の会場で開催されました。本イベントはその 1つであり、東京のスタジオから配信されました。GSFからは日本マイクロソフト、イン テル、野村総合研究所、NTTデータが参加し、日本におけるグリーンソフトウェアの認知 度向上、GSF日本会員のコミュニティ醸成を促すことができました。

アジェンダ

グリーンなソフトウェア開発の実現を目指して ~Green Software Foundationのご紹介 ~ プレゼンター:NTTデータ 下垣徹

GSFがグリーンソフトウェアのための信頼できるエコシステム構築を目的とした非営利団 体であり4つのワーキンググループから成ることを説明しました。そしてGSFメンバーは IT企業だけではなく様々な分野の企業が参加しており32組織、694人の個人が加盟してい ることを紹介しました。グリーンソフトウェアとは温室効果ガスのオフセットに頼らず、 排出をより少なくすることに責任を持つソフトウェアであることを解説しました。最後に 2022年11月に開催されるCOP27のタイミングでメッセージを発信する予定であり、IT分 野の環境負荷低減に貢献していくことを伝えました。

グリーンソフトウェアとは/最新トレンド - プレゼンター:日本マイクロソフト 畠山大有

GHGプロトコルで定義されるScope1-3を解説しながらグリーンソフトウェアに求められ る下記要素を説明しました。

・実行時に炭素排出量が最小限であること

・より少ない電力と少ないハードウェアで稼働すること

・再生可能エネルギーで稼働すること

またソフトウェアシステムのカーボン排出測定の重要性を解説し、GSFではSoftware Carbon Intensity(SCI)と呼ばれるソフトウェア利用時の炭素排出量をスコアとして評価す る手法を策定したことを紹介しました。 そして、ソフトウェアエンジニアがとるべき行動を挙げながらソフトウェアエンジニアリ ングではビジネスとサステナビリティが両立することを説明しました。

ソフトウェアの燃費?Software Carbon Intensityとは - プレゼンター:NTTデータ 末永恭正

ソフトウェアのCO2排出量測定の難しさを説明し、ICTシステムのエネルギー効率評価を 考えたときにその考え方の基準が定まっていないという課題を解説しました。そこで考え られたのがSoftware Carbon Intensity(SCI)であり、その概念や算出式を紹介しました。 SCIとは言わばICTシステム版の燃費であり、グローバルな統一基準で数値的な比較ができ るもので、実際にどのように現場で活用していくことができるか、SCIの存在によりどの ような未来が考えられるかを説明しました。

デジタルサービスのエコデザイン プレゼンター:日本マイクロソフト 小川航平/永田祥平

まず世界におけるデジタルサービスの進化と温室効果ガス排出量について紹介し、無駄を 省き本当に必要な要素に絞ることがエコフレンドリーデザインに求められることを解説し ました。またエコフレンドリーデザインをどのように学べばよいかについて書籍やWEBサ イトを紹介しながら説明しました。

そしてそのエコフレンドリーデザインがどれほどエコかを評価する指標や計測ツールを紹 介し、ソフトウェアエンジニアリングの観点でもサステナブルな取り組みを考え、学んで いく重要性を呼びかけました。

ハードウェア省エネ機能のソフトウェアによる活用方法 プレゼンター:インテル 土岐英秋

ハードウェアの省エネ機能を有効活用するための3つの手法を紹介しました。

・ハード進化に任せる

・電力管理や省エネライブラリを使う

・クラウド実行やアプリをチューニングする

ハードウェアを効率よく稼働させるソフトウェアもハードウェアと同様に重要であること を解説しました。ハードウェアの機能を理解したうえでソフトウェア開発をすることで高 効率化とCO2削減が同時に実現でき、ハードウェアメーカーの用意するライブラリをうま く使用することでより良いソフトウェアが開発できることを説明しました。

パネルディスカッション ~ グリーンソフトウェアの今後 ~

モデレーター:NTTデータ 濱野賢一朗

パネラー:日本マイクロソフト 畠山大有、インテル 土岐英秋、NTTデータ 末永恭正

過去や現在のソフトウェアの話を交えながら将来のソフトウェア像についてフリートーク で語り合いました。

グリーンソフトウェアの実現のためには、ソフトウェア、ハードウェア、エネルギー源の 総合力が求められ、現段階ではまだまだ改善する余地が多いことを再確認しました。今後 より一層グリーンソフトウェア開発が活発化していくためには、ソフトウェアのグリーン 化に対するプライオリティを上げていき、教育などを通してグリーンソフトウェアという 概念をカルチャーにしていく必要があることが議論されました。最後にGSFの活動をより 拡大していくためご興味ある方の参画を呼びかけ、約50分間熱く繰り広げられたディスカ ッションが締めくくられました。

This article is licenced under Creative Commons (CC BY 4.0)



Translators / Editors

Taichi Imura
Taichi ImuraAssistant Manager, Green Innovation Office